被災したおうち、今後どうしていくのかの判断は?

2018/07/30(月) 設計日々のこと

西日本豪雨から3週間。

被災地は浸水の爪痕がまだまだ大きく残っていて

被災された皆様のご心労、ご苦労思うと胸が痛みます。

被災状況を見に行くために現地入りするたびに広がるこの光景。

 

まだまだ積み上げられた水害で片づけられたものたち

 

元ののどかな情景に戻るにはまだ時間がかかりそうです。

それでも、お邪魔させていただく被災されたおうちの皆様は

とてもお元気で前向きで、こちらが元気をもらうほど。

本当に頭が下がります。

 

 

みなさま、家の片付けが進んできて一度水に浸かってしまったお家をどうしたらいいのか、

プロの意見を聞きたい、とお問い合わせをいただくことが増えてきました。


「現場をみてリフォームができる状態なのかどうか判断して欲しい」  というご相談が多いです。

 


今回は二階まで水に浸かってしまった家も多く、正直なところ、見える部分を直すだけではすぐに別の不具合が出て来ることになると思われます。

一般基準としてのお話にはなりますが

判断の大きなポイントは断熱材。

水と泥を吸って湿気を帯びた断熱材は壁の内部で膨れて、抜けない水と暑さでカビが繁殖していきます。


水に浸かったのが床上50センチだったとしても、毛細管現象で断熱材へのダメージはそれより上に広がっていることが考えられます。


なので外に面した壁については内側の壁を一度撤去して、断熱材を入れ替えるところからリフォームです。


構造材も水を吸っているのでまずはしっかり乾かすこと。

床下に施したシロアリ対策の薬剤なども切れてしまっているのでぜひ、やっておきたい内容です。


水に浸かってしまった階はあとからカビや湿気による腐食などのリスクを考えてせめてスケルトン(構造材のみの状態)にしてしまった方が安心です。

石膏(プラスター)ボードも水を含んで膨れ上がってます。


あとはライフラインの復旧と設備(キッチンや風呂など)の入れ替えが必要なものも。


解体などについては自治体の補助が下りる可能性も。

そのような情報もお聞き逃しないようアンテナ張っておかねばですね。

リフォームするにしても表面だけをきれいにする、従来のリフォームに比べプラスの費用が必要です。

 特殊な工法だったり、被災の状況によっても変わってくるので

 あくまでも一般的な話として、ご参考にしてくださいね。

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先日、ゼストでは、全国の仲良くしてくださっている工務店さんからの愛ある支援物資をお届けしてきました。

 

まだまだ必要な支援物資。

受け入れてくださる自治体の方も本当にお疲れ様です。

必要なところにしっかり届けてくださる情報共有も機能していて安心感があります。

普段から災害に対する意識をもっておられることがよくわかりました。

 

私たちも私たちだからこそできることでしっかりサポートしていければと思います。

 

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