樋渡 暁人 自己紹介へ

何気ない毎日が好きになる。無垢床の家づくり

公開日:2025/06/30(月) 更新日:2025/06/30(月) コラム

岡山で様々なテイストのおうちづくりを手掛けているZEST design/houseです。

 

家づくりを考えるとき、多くの方がまず間取りや外観デザイン、設備の機能性に目を向けます。

 

しかし、実は日々の暮らしの快適さや心地よさに大きく影響を与えるのが「床材」です。

 

私たちは日常生活のほとんどを床の上で過ごしており、足の裏に触れる素材の違いが、体にも心にも微妙な影響を与えているのです。

 

今回は、

無垢床って実際どうなの?

見た目はいいけど手入れが大変そう…

子どもがいても大丈夫?

 

といった疑問にお答えしながら、無垢フローリングの魅力と注意点、そして岡山という地域でこそおすすめしたい理由を、実例やお客様の声を交えながらお伝えしていきます。

 

これから家づくりを検討されている方、自然素材に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

INDEX

無垢床とは?|合板フローリングとの違い

無垢床の5つの魅力

無垢床のデメリットとその乗り越え方

無垢床とインテリアの相性

無垢床の家づくりと注意点|失敗しないために

無垢床のメンテナンス方法|長く美しく使うために

まとめ

 


無垢床とは?|合板フローリングとの違い


無垢床とは、丸太から切り出した天然木をそのまま一枚板として使用する床材のことを指します。

 

「無垢(むく)」という言葉には、“混じりけのない、純粋な”という意味があり、まさに自然素材そのものの魅力を活かした建材です。

 

一方で、多くの住宅に使われているのが「合板フローリング(複合フローリング)」です。

 

こちらはベニヤ板や集成材などを何層にも貼り合わせた基材の表面に、薄くスライスした木材や木目調のシートを貼ったもの。価格も抑えられ、施工性や耐久性に優れているため、量産住宅を中心に広く普及しています。

 

では、無垢フローリングと合板フローリングでは、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?

 

  1. 肌触りと質感の差

合板フローリングは表面にウレタンなどの塗装が施されており、ツルッとした硬さがあります。

 

一方、無垢床は木の繊維をそのまま残した自然な肌触りが特徴で、触れた瞬間に温もりを感じることができます。

 

特に裸足で歩いたときの感触は全くの別物。

 

冬でもヒヤッとせず、夏はサラッと快適。足裏から伝わる感覚が、心地よさと安らぎを与えてくれるのです。

 

2. 音と空気感の違い

無垢床のある空間では、音の響き方や空気の質までもが変わってきます。

 

木には音をやわらげる吸音性があり、また呼吸するように湿気を調整する性質があるため、室内がこもった感じになりにくいのです。

 

逆に合板フローリングは、床材の内部が均一なため音が反響しやすく、調湿性もほとんどありません。

 

そのため、夏場はベタつきやすく、冬は乾燥して静電気が起きやすい傾向があります。

 

3. 経年劣化 vs 経年美化

合板フローリングは、表面材が薄いため、年月とともに剥がれや反りが生じることがあります。

 

また表面に傷が入ると下地が見えてしまい、張り替えが必要になるケースも。

 

それに対し、無垢床は使えば使うほど味わいが増す「経年美化」が楽しめます。

 

日々の生活の跡が「味」として床に刻まれ、光の加減や時間の経過で色合いが深まっていく。住まい手の暮らしと一緒に育っていく素材です。

 

4. コストと価値

無垢床は合板フローリングに比べて価格が高めです。

 

しかし、素材の本質的な価値と、暮らしに与える影響を考えると「コスト」ではなく「投資」だと言えるでしょう。

 

さらに、岡山のように木材と密接な地域では、地元材を使うことで輸送コストを抑えられる場合もあります。

 

長期的に見れば、修繕や張り替えのリスクも少なく、満足度の高い住まいづくりにつながります。

 

5. 床にこそ「本物」を

私たちが一日の中で最も触れている建材が「床」

 

だからこそ、その素材に「本物の木」を使うという選択には、大きな意味があります。

 

見た目の美しさ、触れたときの安心感、時が経つごとに深まる風合い。

 

無垢床は、機能性だけでは測れない「暮らしの質」を支えてくれる存在です。

 

次は、そんな無垢床が持つ具体的な魅力について、より深く掘り下げてご紹介します。

 


無垢床の5つの魅力


無垢フローリングには、「本物の木」だからこそ味わえる魅力が数多くあります。

 

見た目の美しさはもちろんのこと、触れたときの感触、室内の空気感、そして経年による変化までもが魅力の一部です。

 

ここでは、無垢床の代表的な「5つの魅力」をご紹介します。

 

1. 裸足が気持ちいい

無垢床の最大の魅力とも言えるのが、足裏に伝わるやさしい感触です。

 

夏はさらっと、冬はほんのり暖かいという特性は、合板フローリングにはない無垢材ならではの自然な調湿・断熱性によるもの。

 

とくに小さなお子様がいるご家庭では、赤ちゃんや子どもたちが裸足で元気に走り回れる「気持ちのいい床」は、大きな安心感にもつながります。

 

家族がくつろぐリビングや寝室に最適な素材といえるでしょう。

 

2. 季節を問わず快適に|調湿性と断熱性

無垢材は、木が本来持つ「呼吸する力」をそのまま残しています。

 

空気が乾燥しているときには水分を放出し、湿気の多い時期には水分を吸収してくれる。この調湿作用のおかげで、室内環境が自然に整いやすくなります。

 

さらに、木には空気を多く含む構造があり、熱を伝えにくいため、冬でも床が冷たくなりにくいという断熱性もあります。

 

岡山のように、夏は蒸し暑く、冬は底冷えする地域では、この調湿・断熱性能が暮らしの快適性を大きく左右します。

 

3. 見た目の美しさ|空間に「温もり」と「上質さ」を

無垢床の美しさは、表面的なデザインだけにとどまりません。

 

木目のひとつひとつが自然のアートであり、節や色ムラ、表情の違いが空間に深みと立体感を与えてくれます。

 

照明の当たり方や時間帯によっても印象が変化し、暮らしの中で「見る楽しみ」も味わえるのが無垢床の魅力です。

 

特にデザイン住宅との相性は抜群で、インテリアショップのような洗練された空間を演出することができます。

 

4. 経年変化を楽しめる|暮らしとともに育つ素材

無垢床は、住む人の暮らしに合わせて「育っていく床」です。

 

年月が経つごとに木の色味が深まり、ツヤが増し、まるで家族の歴史を刻むように変化していきます。

 

たとえば、新築当初は明るく柔らかな色合いだった床が、10年後には飴色のような深い風合いに。

 

これは無垢材ならではの「経年美化」であり、人工的な素材では決して再現できない味わいです。

 

5. 安心・安全|自然素材だからこその健康面のメリット

無垢材は化学物質を含まない自然素材であるため、シックハウス症候群のリスクが低く、アレルギーを持つ方や小さな子どもにもやさしい素材です。

 

また、万が一傷がついても自然な素材ゆえに目立ちにくく、補修やメンテナンスも比較的容易。

 

表面だけでなく中まで同じ素材だからこそ、削って再利用することも可能です。

 

 

小さな積み重ねが、大きな暮らしの質をつくる。

 

これらの魅力は、一つひとつは小さな要素かもしれません。

 

しかし、日々の暮らしの中で常に足元にあるものだからこそ、

 

無垢床がもたらす快適さと安心感は、暮らし全体の質に大きな影響を与えます。

 

無垢床は「贅沢」ではなく、「本質的な選択」。

 

住まいの心地よさを足元から支える、大切な存在なのです。

 


無垢床のデメリットとその乗り越え方


無垢床には多くの魅力がありますが、天然素材であるがゆえに注意すべき点もあります。

これらのデメリットを理解し、適切な対策やメンテナンスを行うことで、長く快適に無垢床のある暮らしを楽しむことができます。

 

1.  傷やへこみがつきやすい

無垢床は天然木であるため、硬いものを落としたり家具を引きずったりすると傷やへこみがつきやすいのが特徴です。

合板フローリングと比べると、表面の強度は劣ります。

 対策例 

・家具の脚にフェルトやキャップをつける。

・こまめに掃除をして砂や小石による傷を防ぐ。

・傷がついても、サンドペーパーで削って補修が可能。

 

2. 湿気や乾燥で反りや隙間が出ることがある

無垢材は湿度の変化に敏感で、湿気が多い時期には膨張し、乾燥時には収縮します。そのため、反りや隙間が生じることがあります。

 対策例 

・室内の湿度管理を適切に行う(加湿器・除湿器の活用)

・過度な水拭きは避ける

・適切な塗装や仕上げ材で表面を保護する

 

3. 水や汚れに弱い部分もある

無垢床は水に長時間さらされると変色や腐食のリスクがあるため、水こぼしには注意が必要です。

また、油汚れやシミも付きやすい場合があります。

 対策例 

・飲み物や水はこまめに拭き取る

・キッチンやダイニングの床は特に注意し、防水マットを使用するのも効果的

・定期的なワックスやオイル塗布で保護層をつくる

 

4. メンテナンスに手間がかかる

合板フローリングに比べると、無垢床はメンテナンスがやや手間がかかる傾向があります。

年数が経つと表面の塗装が剥がれたり、汚れが染み込みやすくなったりするため、定期的なオイルメンテナンスや補修が必要です。

 対策例 

・メンテナンスのスケジュールを立てて実施する

・工務店や専門業者に相談しながら最適な方法をとる

・無垢床に適した洗剤やケア用品を使う

 

5. 床暖房との相性

無垢床は断熱性に優れていますが、床暖房との相性には注意が必要です。

急激な温度変化が無垢材の反りや割れを引き起こすことがあります。

 対策例 

・床暖房を使う場合は無垢材の種類や厚みを選ぶ

・温度設定を急激に上げすぎない

・工務店や床材メーカーに床暖房対応かどうか確認する

 

デメリットを理解して上手に付き合う

無垢床のデメリットは、天然素材の特性ゆえに避けられない面もありますが、正しい知識とケアを持っていれば長く快適に楽しめるものばかりです。

 

デメリットをネガティブに捉えるのではなく、むしろ愛着や味わいが増す要素として捉えることもできます。

 

私たちZESTでは、お客様のライフスタイルや家の環境に合わせた無垢床の選び方をご提案させていただきます。

 


無垢床とインテリアの相性


1. 無垢床がつくる「温もりのベース」

無垢材特有の木目や色合いは、インテリアの土台としてどんな家具や照明とも馴染みやすいのが魅力です。

 

冷たく硬い素材とは異なり、空間全体に柔らかさと温かみを与え、暮らしに安らぎをもたらします。

 

特に岡山の気候に適した木材を使うことで、床の色味や質感が室内環境と自然に調和し、季節ごとに変わる光の入り方や室温とも相乗効果を発揮します。

 

2. インテリアショップが提案するコーディネート

私たちZESTでは、お客様の好みやライフスタイルに合った家具や照明、カーテンまでトータルコーディネートを行っています。

 

無垢床はインテリアの「ベースカラー」としての役割を担い、様々なテイストの家具とも相性が良いため、カフェ、ナチュラル、シンプル、グレイッシュなど多彩なスタイルに対応可能です。

 

3. 木材の種類で変わる雰囲気づくり

無垢床に使う木材の種類によって、インテリアの印象は大きく変わります。

 

 オーク 

耐久性が高く、落ち着いたブラウンでスタイリッシュな雰囲気に。

 

 パイン 

柔らかく、温もりのある印象。節が多く、どんなスタイルとも相性◎

 

 カバザクラ 

やさしいベージュで明るい印象。木目も細かく、上品で控えめな表情。

 

お客様の好みや空間の用途に合わせて最適な木材を選び、インテリア全体のバランスを考慮します。

 

4. 自然素材×デザインの融合で得られる心地よさ

無垢床は自然素材ならではの「呼吸感」があり、人工的な素材にはない落ち着きと安心感を与えます。

 

これに、デザイン性の高い家具や照明が組み合わさることで、単なる「住まい」ではなく、心からくつろげる「生活の場」へと昇華します。

 

特に岡山の気候風土を踏まえた設計と無垢床の組み合わせは、地域の暮らしに最適化された快適な空間づくりを可能にします。

 

5. 空間のアクセントとしての活用

無垢床は、単に全室に張るだけでなく、一部のスペースにアクセントとして使用するのも効果的です。

 

たとえば、リビングやダイニングのメインフロアに無垢材を使用し、廊下や洗面所はメンテナンス性の高いクッションフロアなどの他素材を使い分けることで、デザインと機能の両立を図れます。

 

こうした使い分けも、長年無垢フローリングを扱っているZESTではスムーズに実現できます。

 


無垢床の家づくりのポイントと注意点|失敗しないために


無垢床の家づくりは、自然素材ならではの魅力を享受できる反面、計画段階からしっかりとした準備と知識が必要です。

 

ここでは、無垢床の家づくりで後悔しないためのポイントと注意点をまとめました。

 

1. 使う無垢材の種類と特性を理解する

無垢床には様々な木材があり、それぞれ硬さ、色味、耐久性、メンテナンスのしやすさが異なります。

家の用途や好みに合った木材を選ぶことが大切です。

例えば、耐久性の高いオークやウォールナットはリビングに向いていますが、柔らかめのパインは子ども部屋や寝室に適している場合があります。

 

2. 施工業者の技術力を見極める

無垢床は施工の質によって長持ちするかどうかが大きく左右されます。施工実績が豊富で、無垢床の特性を熟知した工務店を選びましょう。

岡山の地域特性を踏まえた湿気対策や温度管理など、細やかな配慮が必要です。

 

3. 室内環境の湿度管理を計画的に

無垢材は湿度の変化に敏感なため、家全体の湿度コントロールが重要です。

特に冬場の乾燥や夏場の湿気に対する対策として、加湿器や除湿器の設置を検討しましょう。

湿度管理は無垢床の反りや割れを防ぐだけでなく、快適な住環境づくりにもつながります。

 

4. 日常のメンテナンス計画を立てる

無垢床は年数が経つとオイル塗装の劣化や小さな傷が目立ってくるため、定期的なメンテナンスが必要です。

施工業者と相談して、適切な時期に補修や再塗装を行う計画を立てましょう。

また、日常的には柔らかいほうきや掃除機での掃除が基本で、水拭きは控えめに。

 

5. 家具やインテリアとの調和を考慮する

無垢床は空間の基調となるため、家具やカーテンの色味、素材感とのバランスを考えることが重要です。

トータルコーディネートで統一感を出すと美しい空間が生まれます。

 

6. 床暖房を検討する場合は事前に確認を

床暖房の設置を検討している場合、使用予定の無垢材が対応可能かどうかを必ず確認してください。

対応できない素材や施工方法だと、床の反りや割れの原因になります。

 


無垢床のメンテナンス方法|長く美しく使うために


無垢床の魅力を長く保つためには、日常的なケアと定期的なメンテナンスが欠かせません。

 

天然木ならではの風合いや温もりを楽しみつつ、美しい状態を維持するためのポイントを詳しく解説します。

 

1. 日常の掃除で気をつけること

無垢床は水に弱いため、水拭きはできるだけ避けることが基本です。掃除はほうきや掃除機を使い、ホコリや砂などの汚れを丁寧に取り除きましょう。

どうしても拭き掃除をする場合は、固く絞った雑巾を使い、すぐに乾拭きで水分を拭き取ることが重要です。

 

2. 傷や汚れの対処法

家具の移動による傷や小さなへこみは、サンドペーパーで軽く削って補修する方法が有効です。

また、市販の木材用補修ペンやワックスで目立たなくすることも可能です。

汚れは早めに拭き取ることで、シミになるのを防げます。特に飲み物のこぼれや油汚れは注意しましょう。

 

3. 定期的なオイルメンテナンス

無垢床の風合いを保つためには、数年ごとに専用のオイルやワックスを塗布するメンテナンスが必要です。

オイルは木材の保護と潤いを与え、乾燥やひび割れを防ぎます。

施工業者に依頼するのが安心ですが、自分で行う場合は使用方法をよく確認し、換気の良い場所で作業しましょう。

 

4. 湿度管理の重要性

無垢床は湿度の影響を受けやすいため、家の中の湿度を40~60%程度に保つことが理想的です。

加湿器や除湿器を適宜使用し、季節ごとの湿度調整を心がけましょう。

適切な湿度管理は床の反りや割れを防ぐだけでなく、健康的な室内環境にも寄与します。

 

5. 専門業者による定期点検

定期的に工務店や専門のメンテナンス業者に点検を依頼することで、床の状態をプロの目でチェックしてもらえます。

早期発見で大掛かりな修繕を防ぎ、長く美しい無垢床を保つことができます。

 


まとめ


無垢の床は、ただの“床材”ではなく、暮らしの心地よさをぐっと高めてくれる大切な存在です。

 

天然木ならではのぬくもりや香り、そして時間とともに深まる風合いは、毎日の暮らしにそっと寄り添い、五感で感じるやさしい心地よさを届けてくれます。

 

ZESTでは、無垢床のある家が、家族の思い出を重ねながら、暮らしに寄り添い続ける“特別な場所”になっていくと考えています。

 

「岡山で無垢の床の家に住みたい」

「自然素材に囲まれて心地よく暮らしたい」

 

そんな想いを持つ方に、丁寧で、後悔のない家づくりをご提案できたら嬉しいです。

 

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