築35年のマンションで叶えた カッコよくて心地の良い家

岡山県岡山市 K様邸

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取材・リアンデザイン

街中の風景に溶け込む築35年のマンション。

その一室で暮らすKさん一家が大事にしているのが、休日に家族4人で囲む時間。

開放的なキッチンでは、奥様が食材を手際よく準備しています。

視線の先には、TVを見る子供達、ソファに座って読書を楽しむご主人の姿も。

料理好きに育った子供たちとキッチンに並ぶ姿は、すっかり当たり前の日常風景となりました。

食事の後は、広いリビングでストレッチをするのがKさまファミリーのマイブーム。

家族みんなで過ごす「おうち時間」が、日々の疲れをゆるりとほぐしてくれます。

 


…マンションをフルリノベーションしようと思ったきっかけは?

ここは親戚が所有していたマンションの一室で、上の娘が4歳になる頃に譲り受けてから11年ほど暮らしています。

元は単身者向けにつくられた2LDKなので、家族4人で住むにはちょっとコンパクトな間取り。

住み始めた時は気にならなかったものの、子供達が成長するにつれて手狭になっていくのを感じました。

築35年という造りの古さや劣化も悩みの種で、特に不満だったのが風通しの悪さと暗さ。

(▲リノベーション前のお部屋の様子)

北側の部屋は光が入らず真っ暗で、とても使う気になれずに物置き状態でした。

当初は別のマンションに移り住むことも考えましたが、長年暮らすこの街と、そこで築いたご近所さんとの関わりを手放してしまうのは寂しい気もして。

そこで大胆にフルリノベーションをして、住み慣れた場所で今の生活に合う空間をつくる事にしました。

…リノベーションのポイントやお気に入りを教えてください。

意識したのは、部屋同士のつながりと開放感。

以前の間取りは部屋が細かく分かれていたため、使い勝手が悪くて閉塞感がありました。

そこで、元々あった小さなリビングと隣り合う和室をつないで、広々としたLDKをつくる事にしたんです。

各部屋にアイアンの内窓をつけて、部屋同士を緩やかにつなげたこともポイントです。

おかげで光と風が家じゅうを通り抜け、今までにはない心地よさと明るさを感じるようになりました。

ガラスのドアや床から浮かせたフロートタイプの収納棚、斜めに切り取った導線上の壁など、随所に「抜け感」を出したのもこだわりのひとつで、とてもすっきりとした印象に変わりました。

 

…洗練されたデザインですね。どんな点にこだわりましたか?

内装はモノトーンと直線的なデザインをベースにして、シンプルでカッコいいインテリアを目指しました。

冷たい印象になるのは避けたかったので、珪藻土や無垢材、モルタルなどの素材で自然の温かみをプラスしました。

塗り壁は細かなムラや凹凸があり、職人さんの手仕事がそのまま味わいになっています。

水道の蛇口や時計、照明や小物などはあえて曲線のデザインを選び、アイテム一つひとつが映えるような空間に仕上げました。

 

…リノベーションして、家族の暮らし方は変わりましたか?

家族みんながキレイ好きになりましたね。床が無垢のフローリングになったことや家具をフロートデザインにして足元を浮かせることで掃除や片付けがしやすく、汚れが気になった時にサッとキレイに出来ます。

掃除や炊事洗濯などの家事はどんなに器具が発達してもゼロにする事はできないので、家事のしやすさや負担の軽減がとても大事なんだな、と感じています。

好きな小物や本、季節の植物を飾る楽しみも出来ました。

住んでから3年が経とうとしていますが、私と長女はダイニングのソファ、妻と次女はリビングに寝ころぶのがお気に入り。

娘と妻が一緒にキッチンに立つ様子を眺めながら、ソファでゆったりくつろぐひと時がなによりの幸せです。

快適で美しく生まれ変わった我が家ですが、ベランダ越しの見慣れた風景も、より鮮明に感じられるようになりました。

家族の想い出とともにあるこの場所で、新たなマンションライフを紡いでいくのが楽しみです。